信号発生器

 AD9851 (Analog Devices)というDDS (Direct Digital Synthesizer) を使った信号発生器です。AD9851は内部に逓倍器を持っており、内部180MHzまで動作しますので、高い周波数までのDDSが可能です。しかしながら、実際に組み立ててみた感じでは、きれいな波形としては10MHz程度までかと思います。この方式のメリットとしては、0.1Hz分解能で周波数設定が出来る点があり、アナログ型のオシレーターの精度や安定度にはない長所があります。ただし、周波数が高いDDSはなかなか難しいので、高周波に関してはアナログ式やPLL方式やアナログシンセサイザー(高価)を使う必要があります。
 当研究室ではそれほど高周波を必要としないため、一つ、作ってみた次第。図1に回路を示します。今回はプリントパターンを簡単にするために表面実装型のAD9851を、別に感光基板で作った変換基板を使って2.54mmピッチに変換しています。この方が実装もやりやすいし、プリントパターンの自動配線も楽に終わります。プリント板のスペースさえあればこの方が楽です。添付ファイルにEagle関係のファイル(圧縮)を添付します。解凍後できたフォルダーの中に、2つのフォルダー(変換基板と本体のプロジェクト)ができます。それらをEagleのprojectフォルダーにフォルダーごと入れて、Eagleから開きます。
 開く前に注意:各プロジェクトフォルダー内のeagle.epfとxxx.pro (xxxはプロジェクト名)にはファイルパスが記述されていて、ダウンロードしたコンピューターのパスとは異なりますので、それらのパスを書き直してください。これらのファイルは単なるテキストファイルですので、適当なテキストエディターで開けます。書き直さないと、正しくファイルが探せないかもしれません。
 液晶表示器は2行16文字で、図のSV2コネクターから接続されます。マイコンはAVRのATMega168で、クロックは内部の8MHzです。(注:フューズビットを書き換えて、1/8分周をdisableします。)プログラム書込は共立電子のAVRWriterです。電源電圧VCCは5Vなので、これで書き込めます。(なお、3.3Vなどの時はATMELの書込器AVRISPを使います。)制御スイッチ類はMode set コネクターからパネル面に接続されます。PD0,1 がロータリーエンコーダー、PD2がトグルSW1でスタートスイッチです。PD3はトグルスイッチSW2で周波数の桁と数値のどちらをロータリーエンコーダーで変えるかの選択スイッチです。詳細は添付のプログラム(BASCOMのソース)を参照してください。PD4は将来の拡張用で、今のところ未使用です。
 プログラムによってどのようにユーザーインターフェースが出来ているかは添付の取説を参照ください。
注:プログラムには記述されていないが、Mega168のPortD.0, PortD.1を入出力ポートとして使う際にはある種の注意が必要です。回路のページの7-0章を参照して、添付したプログラムを修正してください。


 AVRへのプログラムの書き込みはISPコネクターから行います。 VCCが+5Vなので、 共立電子製のライターも使えます。

 取説に書いてあるように、本機には以下の不具合があります。第1にサイン波と方形波の両方を同時に出力可能にしているので、方形波発生におけるコンパレーター動作によるスイッチングノイズがサイン波出力に重畳して出てしまうことです。これを防ぐには、サイン波の利用時には方形波作成に使うコンパレーター入力をOFFすることです。または、サイン波専用にする。第2に、サイン波出力には、まったくローパスフィルターを入れていないので、1MHz以上のサイン波出力でデジタル的な分解による波形のガタガタが取れていないことです。適当なローパスフィルター(LC型、多段)を入れれば滑らかになるでしょう。

プログラムについて

 DDSへのSPIインターフェースはSHIFTOUTなどのBASCOM命令でやっています。

その他

 似たようなDSSによる信号発生機の記事はインターネットにたくさんありますので、それらのキットを購入した方が安くつく場合もあります。この回路は、ご参考程度に。(インターネットを見ずにICのマニュアルのみで作りましたが。)プログラムは参考になるかもしれません。プログラムでは、スイッチ遷移を検出するのにインタラプトを使用しています。ロータリーエンコーダーの回転検出はBASCOMの命令で回転を待つプログラムです。その他はフラグ設定によって分岐する簡単なプログラムです。(スイッチのインタラプトでフラグが設定される。(プログラムはロータリーエンコーダーの回転待ちで止まっているので。))
 クリスタル発振器は型番でインターネットを探すと、購入先が見つかると思います。+5Vで動作するものを使用します。日本橋で30MHzの水晶発振器が入手できなかったので、インターネットで購入しましたが、後で気がついたのですが、日本橋のトーカイに在庫がある可能性があります。(メーカーや型番は異なるが。小型の四角いやつを買うとよい。)

 サイン波出力は取説に書いてあるように0.4V程度で、中点が0.2Vですので、中点0Vの数V振幅を出力するには高周波増幅アンプで増幅する必要があります。例については取説にあります。

 制作にあたっては、アナログGNDとデジタルGNDが分離されていますので、どこか1カ所でジャンパーしてください。(なお、パターン図にはその場所が存在する。4角のランドパターンの箇所。)

下に実装例の写真を示す。

DDS photo

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