中山 正昭 (Masaaki Nakayama)


Masaaki Nakayama, Dr.
Professor
Laboratory of Optical Properties and Functions of Codensed Matters
Department of Applied Physics, Graduate School of Engineering
Osaka City University
(Email) nakayama@a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp

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  • 大阪市立大学大学院 工学研究科電子情報系専攻応用物理学講座
    (大阪市立大学工学部 電子・物理工学科)
    光物性工学分野 
    教授  理学博士
    中山正昭  
    1956年(昭和31年)生
    
    座右の銘: 真理はあなたがたを自由にする。
              (新約聖書ヨハネの福音書8章32節)
    
    
    学生達への伝えたいこと(自分自身への戒めでもある): 研究は、自分自身の価値観を表現する場であり、論文はその結晶である。 実験は、自然・物質に対する問いかけであり、その応答を知るためには、 心の素直さと、理論に裏打ちされた研ぎ澄まされた感性を絶えず持たな ければならない。 (本の出版)「半導体の光物性」中山正昭 著 (コロナ社:2013年8月) 本書は,筆者の「半導体の光物性」の研究者として,そして,大学教員としての30年の 年月を通して,点から線,そして面へと熟成した学問体系をまとめたものである。本書 の執筆において最も意識したことは,学問の体系をイメージとして理解してもらうため に,思考を展開するための道具としての理論を詳細に述べ,かつ,それに対応した概念 や計算と実験結果を図によって説明することである。そのために,本書では総数216枚の 図と豊富な物理パラメータの表を示している。また,できる限り,著者のオリジナルな データを用いている。これは,熟知したデータを元に,読者に生き生きと語りかけるた めである。さらに,各項目の歴史と最新の展開までを対応する参考文献を示して系統的 に説明することを意図して,総数538編の参考文献を示している。したがって,本書を背 景として,さらに詳細を学びたい読者は参考文献から比較的容易に体系的独学が可能で ある。 1章 半導体の基礎物性 2章 光物性の基礎理論 3章 励起子光学応答 4章 電子・正孔プラズマの光学応答 5章 ラマン散乱 6章 量子井戸構造と超格子の光物性 初版第1刷正誤表(pdf) (第2刷では修正されています) (いくつかの短歌習作 by 正昭) ひたすらに星の数をかぞえた夜を思い出すかな寂寞の時 稲刈りの後に残りし秋桜の揺れる姿に吹く風を追う (第18回与謝野晶子短歌文学賞入選) 仲秋の雲なき空に月冴えて風に揺らりし稲穂きらめく 星月夜ほのかに白き道端に足音ひそめ虫の音を聞く 黄昏の翳りを染めし紅のもみじ葉散らす風吹き抜けり 秋の夜に観覧車から君と見し上弦の月冴えて明るき 我が内に真理を求める才有りやと問いて眠れぬ長き夜を過ごす いつしかに忘れたること思い出す波音響く岬に立ちて 友と来し神威岬にたたずみて砕ける波に真理を想う 移りゆく雲の姿に我が思いかさねて過ごし時を忘れる さようならの言葉の前にきみ問いし星の名前を今も知らずや 風に舞う桜花の後のみどり葉に夢の続きを見る思いして
    連絡先    〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
              tel&fax: 06-6605-2739
              Email:   nakayama"@"a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp

    研究テーマは、大きく分けて以下のものを対象としている。
    
    (1)「半導体超格子・量子井戸構造(ナノ構造半導体)の光物性と光機能性」
    
    (2)「I-VII族(アルカリハライド、銅ハライド)薄膜とZnO薄膜の結晶成長と励起子光物性」
    
    (3)「励起子安定物質(銅ハライド、ZnO)マイクロキャビティ構造の作製と励起子−光子相互
    作用の制御 CuClマイクロキャビティの解説 (pdf)
    
    (4)「半導体エピタキシャル構造からのテラヘルツ電磁波発生」
    
    
  • 公表論文リスト
  • [テキスト] 大学院講義資料: 「半導体量子井戸構造・超格子の物理(基礎論編」(pdf) 「半導体超格子におけるミニバンド構造とワニエ・シュタルク局在」(pdf) 「半導体多重量子井戸構造における励起子量子ビートとコヒーレント光学フォノンとの相互作用」(pdf) セミナー資料:  「半導体結晶の光学的評価:〜光学スペクトルから結晶を観る〜」(pdf) 「GaN系薄膜における励起子非弾性散乱過程による発光と誘導放出」(pdf) 「半導体の光物性−励起子研究の歩み−(第26回光物性研究会 チュートリアル講義)」(pdf)

    半導体超格子・量子井戸構造の光物性と光機能性

     半導体超格子とは、異なる種類の半導体超薄膜(数Å〜数100Å)の周期積層構造の総称であ り、原子配列を人工的に制御した結晶と言うべきものである。結晶中の電子・正孔、フォノン、 励起子などの素励起は、結晶の周期的原子配列ポテンシャルや幾何学的対称性によってその 特性が決定されている。したがって、超格子では、原子配列の制御によって素励起の物性を制 御することが可能であり、基礎物性とデバイス応用の両面において世界的に盛んに研究が行わ れている。尚、量子井戸構造とは、超格子を形成する量子井戸層間の波動関数のトンネル結合 が無視できるものや(多重量子井戸構造と呼ぶ)、積層周期が数周期以下のものである。  当研究室では、多様な構造の超格子・量子井戸構造における電子・正孔量子化状態、励起子 状態、フォノン状態を光物性の立場から明らかにし、光機能性を開拓することを目的としてい る。超格子の概念は、1970年に江崎玲於奈先生とR.Tsu博士(IBM)によって提案され、長年の年 月が経過しているが、我々を魅了する物性と素子機能が今尚その物理の中に有ると信じている。  私個人の超格子研究の歴史としては、1983年に関西学院大学理学部における分子線エピタキシ ー法による結晶成長と超格子のフォノンラマン散乱の研究から始まっている。その詳細は 【大阪市大以前の研究の経緯(1983年〜1988年:関西学院大学理学部)】に記している。 【内容】 (1) 電子・正孔空間分離型(タイプ-II)超格子における励起子  層厚が約3.7nm(13原子層)以下のGaAs/AlAs超格子では、量子閉じ込め効果によって、伝導帯 の最低エネルギー状態がGaAsのΓ点からAlAsのX点に移行する(Γ-Xエネルギー準位交差)。 正孔の最低エネルギー状態は、どのような場合でもGaAsのΓ点であるので、電子と正孔が、そ れぞれAlAs層とGaAs層に空間分離したエネルギー構造が形成される(タイプ-IIバンド構造と呼 ぶ)。また、GaAs/AlAs系の場合、運動量空間においても間接遷移型であり、自然界の結晶では 全く実現されえない電子・正孔エネルギー構造となっている。以下に、研究テーマの細目と発 表論文を記す。 [解説] * Excitonic processes in GaAs/AlAs type-II superlattices: J. Luminescence 87-89, 15 (2000). 1999 International Conference of Luminescenceにおいて行った基調講演をまとめたもの であり、タイプ-II超格子の励起子、励起子分子に関する研究の進展を解説している。 (a) 励起子発光特性によるΓ-Xエネルギー準位交差とX電子共鳴 最も一般的な超格子系であるGaAs/AlAsにおいて、どの程度の薄い層厚まで直接遷移型であるか ということが1970年代末から1980年代において議論の的であった。1985年頃までは、2原子層 (0.56nm)まで直接遷移型であるということが主流を占めていたが、分子線エピタキシー法( MBE法)による単原子層制御結晶成長(後述の「関西学院大学在職中の研究」を参照)の実 現と、詳細な発光特性の研究から、上記のΓ-Xエネルギー準位交差(タイプ-II超格子への移 行)が明らかとなった。 * Γ-X crossover in GaAs/AlAs superlattices: Solid State Commun. 70, 535 (1989). * Photoluminescence spectra of (GaAs)12/(AlAs)12 superlattice under high pressure: J. Phys. Soc. Jpn. 58, 2242 (1989). * Photoluminescnce properties of GaAs/AlAs short-period superlattices: Jpn. J. Appl. Phys. 29, 41 (1990). * Anisotropic properties of photoluminescence in a GaAs/AlAs type-II superlattice: Solid State Commun. 76, 217 (1990). * Photoluminescence detection of the X-electron resonance in a GaAs/AlAs type-II superlattice Phys. Rev. B 58, 7216(1998). (b) タイプ-II励起子遷移振動子強度に対するΓ-X波動関数混成効果 AlAs-X電子とGaAs-Γ正孔から形成されるタイプ-II励起子の光学遷移機構について、光学特性 とΓ-X波動関数混成理論の観点から明らかにした。 * Γ-X mixing effects on photoluminescence intensity in GaAs/AlAs type-II superlattices: Solid State Commun. 88, 43 (1993). * Γ-X mixing effects on pseudodirect excitons in GaAs/AlAs type-II superlattices: Phys. Rev. B 49, 13564 (1994). (c) タイプ-II励起子分子形成 電子・正孔が空間分離された状態での励起子分子形成に関しては、下記の論文が初めてその存 在を報告したものである。 * Biexciton formation in GaAs/AlAs type-II superlattices under exteremely low excitation power: Phys. Rev. B 51, 7870 (1995). * Pseudodirect biexcitons in GaAs/AlAs type-II superlattices: IL Nuovo Cimento 17D, 1629 (1996). * Type-II biexcitons in GaAs/AlAS short-period superlattices: Physica E 2, 340 (1998). (参考)Type-II励起子分子の束縛エネルギーに関しては、土家琢磨博士(JAIST:現北大工)の 量子モンテカルロ法による精密な計算結果が報告されている。 T, Tsuchiya & S. Katayama; Physica B 249-251, 612 (1998) (d) タイプ-II励起子束縛エネルギーの理論計算 タイプ-II励起子の研究を行っていて、励起子束縛エネルギーが理論的に決定されていないこ とが不満に感じ、独自に計算できないかと思い立ち理論的な研究を行った。 * Flexible approach to exciton binding energies in type-I and type-II quantum wells: Phys. Rev. B 53, 1485 (1996).  変分計算であるが、従来のような固定化された水素原子型試行関数を用いず、励起子包絡関  数をガウス関数展開し、その展開パラメータを数値計算で決定するという方法を提案した。  GaAs/AlAs系を対象に、励起子束縛エネルギーと励起子包絡関数に関する計算を行い、Type-I, Type-IIどちらにも柔軟に適用できる計算方法であることを示した。 * Binding energies and envelope functions of light-hole excitons in GaAs/InxGa1-xAs strained quantum wells: Phys. Rev. B 54, 10312 (1996). GaAs/InGaAs歪み超格子では、格子不整合歪みによって価電子帯のポテンシャル構造が大きく 変わり、軽い正孔励起子と電子はタイプ-II励起子を構成する。上記の計算方法を、この系に 適用して励起子状態の計算を行った。 (e) タイプ-II系における電子・正孔液滴の安定性に関する理論計算 電子・正孔液滴はSiやGeなどの間接遷移半導体において良く知られているが、量子井戸・超格子 系では、未だにその詳細は明らかになっているとは言えない。我々は、この問題に関して、理論 的な提案を行った。 * Stability of electron-hole plasma in type-I and type-II GaAs-GaAlAs single quantum wells: Phys. Rev. B 69, 165316 (2004).  (f) タイプ-II励起子系のBose-Einstein統計性 近年、励起子系のボース凝縮が話題を集めている。下記の論文は、GaAs/AlAsタイプ-II超格子 の励起子-励起子分子系において、「Bose-Einstein統計性」が発現することを、時間分解発光 スペクトルの解析から明らかにしたものである。これは、励起子寿命が長く(μsオーダー)、 光励起後の励起子系の冷却効率が極めて高いというタイプ-II励起子の特徴を利用したもので あり、励起子研究の歴史において意義あるものと思っている。 * Evidence for quantum statistics of the exciton-biexciton system in a GaAs/AlAs type-II superlattice: Phys. Rev. B 63, 195316 (2001). * Boson chracteristics of the exciton-biexciton system in a GaAs/AlAs type-II superlattice: J. Lumin. 94-95, 379 (2001). * Qunatum-statictics bahavior of the exciton-biexciton system in GaAs/AlAs type-II superlattices: Phase Transitions 75, 979 (2002). * Control of Bose-Einstein-statistics behavior of the exciton-biexciton system in a GaAs/AlAs type-II superlattice: Nonlinear Optics 29, 203 (2002). * Bose-Einstein statistics behaviors of exciton-biexciton photoluminescence decay processes in a GaAs/AlAs type-II superlattice: Physica E 21, 651 (2004). (2) 超格子におけるワニエ・シュタルク(Wannier-Stark)局在状態とFranz-Keldysh振動  ポテンシャル障壁層が薄い半導体超格子では、量子井戸間の共鳴トンネル効果によって電子 ・正孔波動関数が超格子全体に展開し、超格子のミニブリルアンゾーンにおいて、ミニバンド 分散状態が形成される。そのような超格子の積層方向に電場Fを印加すると、量子井戸間の静 電ポテンシャル差eFDによって、共鳴トンネル条件が破綻し、波動関数が局在化する。また、 エネルギー準位は、ミニバンド状態が分裂し、eFDで量子化されたStark階段状態が形成される。 この現象をWannier-Stark局在と呼び、Bloch振動と関連した現象である。次元性の観点では、 3次元状態であるミニバンドから、準2次元状態であるWannier-Stark局在状態への変化に相当 し、電場による電子状態の次元性の制御という自由度を我々に示している。以下に、研究テー マの細目と発表論文を記す。 新たなBloch振動を観測! * Transformation process from quantum beats of miniband excitons to Bloch oscillations in a GaAs/AlAs superlattice under applied electric fields: Phys. Rev. B 76, pp.115323-1--115323-6 (2007). ミニバンド状態からWS局在状態への移行過程において、弱局在領域で通常のBloch振動数(eFD/h) とは異なる"2eFD/h"の振動数を持つ新たなBloch振動の観測に成功した。実験手法は、反射型 時間分解ポンプ・プローブ分光法である。この新たなBloch振動の観測は、包絡波動関数の弱 局在状態において生じるものであり、これまでその存在は知られていなかった。 この発見は、振動数可変THz電磁波への波及効果が期待できる。 * Observation of the second-nearest-neighbor Bloch oscillation in a GaAs/AlAs superlattice: Phys. Status Solidi C 5, 203 (2008). * Pump-energy dependence of usual and unusual Bloch oscillations in a GaAs/AlAs superlattice: Phys. Status Solidi C 6, 264 (2009). [関連の解説と著書] * 「半導体超格子におけるワニエ・シュタルク局在状態とその共鳴」:  日本物理学会誌47, 391 (1992). * Optical Properties of Low-Dimensional Materials (World Scientific, Singapore, 1995) ed. by T. Ogawa and Y. Kanemitsu; Chap.3 "Wannier-Stark localization in semiconductor superlattices" pp.147-201. 超格子におけるWannier-Stark局在状態に関する解説書:超格子の基礎から、Wannier-Stark 局在の物理、光物性、デバイス応用までを詳細に解説している。超格子における電場効果に 興味の有る方は是非ご一読下さい。 * 「半導体超格子におけるミニバンド構造とワニエ・シュタルク局在」  応用物理 79, 198 (2010). (a) 電場変調反射分光法によるWannier-Stark局在状態の高感度検出と伝達マトリックス法によ る固有状態の計算 * High sensitivity of electroreflectance to Stark-ladder transitions in a GaAs/AlAs superlattice: Solid State Commun. 77, 303 (1991). * Electroreflectance and transfer-matrix analysis of Stark-ladder transitions in a GaAs/AlAs superlattice: Surface Sci. 267, 426 (1992). (b) Wannier-Stark局在状態が形成される臨界電場 * Critical electric field for Stark-ladder formation in a GaAs/AlAs superlattice: Phys. Rev. B 48, 2787 (1993). * Electroreflectance observation of transformation processes of the first and second minibands to Wannier-Stark localization states in a GaAs/AlAs superlattice: Jpn. J. Appl. Phys. 44, 8340 (2005). * Miniband-width effects on Wannier-Stark localization of the first and second quantized states in a GaAs/AlAs superlattice: J. Lumin. 122-123, 841 (2007). (c) 空間的に隔てられたWannier-Stark局在状態の共鳴結合 このWannier-Stark局在状態の共鳴結合は、正に典型的な量子力学的現象であり、波動関数の 混成と共鳴空間での非局在化、エネルギーの反交差(anticrossing)という現象が明確に観測さ れ、それを上記の伝達マトリックス法を用いて理論的に明らかにした。 * Electroreflectance detection of resonant coupling between Wannier-Stark localization states: Phys. Rev. B 44, 5935 (1991). * Electroreflectance intensity for resonant coupling between Wannier-Stark localization states in a GaAs/AlAs superlattice: Phys. Rev. B 46, 7565 (1992). * Resonant coupling between Wannie-Stark localization states of holes in a GaAs/AlAs superlattice: Proc. 21st Int. Conf. on Physics of Semiconductors (World Sicentific, 1993) p.979. * Resonant coupling between Wannier-Stark locaization states and buried single quantum states in a GaAs/AlAs superlattice: Solid State Electronic. 37, 863 (1994). * Wavefunction delocalization of strongly-localized Stark-ladder states in a GaAs/AlAs superlattice: Solid State Electronics 42, 1499 (1998). * Electric-field-induced combination of Wannier-Stark localization and type-I-type-II crossover in a marginal type-I GaAs/AlAs superlattice: Phys. Rev. B 61, pp.7505-7510 (2000). * Photocurrent bistability in a GaAs/AlxGa1-xAs superlattice under resonant-coupling conditions of Wannier-Stark-localization states: J. Appl. Phys. 101, 043512-1 (2007). 共鳴結合条件における遷移振動子強度の変化を利用して光電流の負性微分抵抗を発現させて、 光機能性において重要な双安定性動作(bistability)を実現した。 (d) ポテンシャル障壁上ミニバンド状態のWannier-Stark局在 * Electric field effects on above-barrier states in a GaAs/AlxGa1-xAs superlattice: Phys. Rev. B 51, 4236 (1995) (e) 超格子におけるFranz-Keldysh振動  Franz-Keldysh(FK)振動は、バルク半導体における電気光学現象として良く知られているが、 超格子のミニバンド状態におけるFK振動は、ほとんど研究されていない。超格子におけるFK振 動は、無電場状態のミニバンド(波動関数が共鳴トンネル効果によって超格子空間に展開され た状態)からWannier-Stark局在状態に移行する過程(低電場領域)で生じる。我々は、変調反 射分光法[電場変調反射(Electroreflectance)及び光変調反射(Photoreflectance)]によるFK 振動の検出と、それに基づくミニバンド有効質量の推定、及び(2)で述べたWannier-Stark局在 状態への移行過程について研究を行っている。 * Miniband structures and effective masses of GaAs/AlAs superlattices with ultra-thin AlAs layers: Solid State Commun. 102, 803 (1997). この論文は超格子のミニバンド有効質量を分光学的に明確に決定した初めての報告である。 * Franz-Keldysh oscillations at the miniband edge in a GaAs/AlxGA1-xAs superlattice: Superlattices & Microstructures 22, 460 (1997) * Franz-Keldysh oscillations at the above-barrier miniband in a GaAs/AlxGA1-xAs superlattice: Superlattices & Microstructures 25, 61 (1999) (f) Wannier-Stark局在効果によるタイプ-Iからタイプ-IIへのクロスオーバー * Electric-field-induced combination of Wannier-Stark localization and type-I-type-II crossover in a marginal type-I GaAs/AlAs superlattice: Phys. Rev. B 61, 7505 (2000). (3) 超格子の電子状態に対する格子歪み効果(歪み超格子)  (Al,Ga)As系以外のほとんどのヘテロ接合系では、無視できない格子不整合が存在する。エ ピタキシャル成長された超格子では、格子不整合は、超格子各層の歪みに転化され、それによ って超格子ポテンシャルが変調を受ける。特に、正孔ポテンシャルは、歪みが無い状態で縮退 していた重い正孔と軽い正孔ポテンシャルが分裂し、歪み超格子特有の正孔状態が形成される。 研究の独自性としては、光変調反射分光法を駆使して、正孔サブバンド状態を高感度に検出す ることを行ったことであり、従来の分光法では明確に出来ていなかったサブバンド構造に対す る格子歪み効果を解明した。 (a) 歪み超格子における電子・正孔量子状態の基礎特性 * Photoreflectance study of hole-subband structures in GaAs/InxAl1-xAs strained-layer superlattices: J. Appl. Phys. 72, 2372 (1992). * Hole-subband-order reversal in GaAs/InxAl1-xAs strained-layer superlattices investigated by photoreflectance spectroscopy: Superlattices and Microstructures 12, 333 (1992). * Optical properties of (InAs)1/(GaAs)m strained-layer superlattices: Jpn. J. Appl. Phys. Suppl.32-1, 160 (1993). * Photoreflectance study of folded above-barrier states in (InAs)1/(GaAs)m strained-layer superlattices: Superlattices and Microstructures 17, 31 (1995). (b) 歪み超格子におけるサブバンド間共鳴現象 * Photoluminescence from the barrier-X state in GaAs/InAlAs strained superlattices under applied-bias viltage: Phys. Stat. Sol.(b) 204, 187 (1997). * Influence of Γ-X resonance on photocurrent-voltage characteristics in GaAs/InAlAs strained superlattices: Jpn. J. Appl. Phys. 37, 1650 (1998). * Influence of strain effects on hole-subband resonances in GaAs/InAlAs superlattice: Appl. Surface Sci. 142, 633 (1999). * Light-hole Stark-ladder photoluminescence induced by heavy-hole-light-hole resonance in a GaAs/InAlAs superlattice: Physica B 272, 198 (1999). (4) 超格子におけるポテンシャル障壁上ミニバンド状態  半導体超格子においてミニバンド状態が形成されることは自明のことであるが、これまでの ほとんどの研究は、ポテンシャル障壁よりもエネルギーが低い状態のみを対象としている。 光変調反射分光法を用いて、超格子のポテンシャル障壁上ミニバンド状態を実験的に検出し、 そのエネルギー状態を決定する要因を明らにした。 * Photoreflectance and resonant Raman scattering of above-barrier transitions in a GaAs/AlGaAs superlattice: Jpn. J. Appl. Phys. 34, Suppl.34-1, 80 (1995). * Electric field effects on above-barrier states in a GaAs/AlxGa1-xAs superlattice: Phys. Rev. B 51, 4236 (1995) * Photoreflectance study of folded above-barrier states in (InAs)1/(GaAs)m strained-layer superlattices: Superlattices and Microstructures 17, 31 (1995). * Franz-Keldysh oscillations at the above-barrier miniband in a GaAs/AlxGA1-xAs superlattice: Superlattices & Microstructures 25, 61 (1999) (5) 半導体超格子におけるコヒーレントフォノン  半導体超格子では、そのミニブリルアンゾーンにおいて音響フォノン分散が折り返され、超 格子特有の折り返しフォノンモードが形成されることは、既に明らかになっている。折り返さ れた音響フォノンを超短(フェムト秒)パルスレーザーで励起することにより、THzオーダーの コヒーレントな分極振動が生じる。この現象は、THz電磁波発生という最先端研究とも関連して おり、筑波大学物理学系・舛本研究室、大阪大学工学部・中島研究室と共同研究を行っていた が、2000年度に、当研究室においてフェムト秒パルスレーザーシステムが整備でき、溝口助教授 (現 大阪府立大学理学部物理学科教授)と共に積極的に研究の展開を行っている。 * Coherent oscillation of zone-folded phonon modes in GaAs/AlAs superlattices: Phys. Rev. Lett. 73, 740 (1994).  超格子におけるコヒーレントフォノンに関する初めての報告である。 * Observation of coherent acoustic phonons in Fibonacci superlattices: Phys. Rev. B 55, 9336 (1995). * Coherent dynamics of zone-folded acoustic phonons in GaAs/AlAs superlattices: J. Luminescence 76&77, 564 (1998). * Resonance effect of coherent folded acoustic phonons generated by ultrashort light pulses in GaAs/AlAs superlattices: Physica B 249-251, 887 (1998). * Study of coherent folded acoustic phonons in semiconductor superlattices by pump- probe technique: Physica B 263-264, 48 (1999). * Simultaneous observation of coherent GaSb-like and AlSb-like longitudinal optical phonons in GaSb/AlSb superlattices: J. Phys. Soc. Jpn. 70, 2598 (2001). * Finite-size effects on coherent folded acoustic phonons in GaAs/AlAs superlattices: J. Phys.:Condens. Matter 14, L103 (2002). * Effects of a miniband structure on coherent LO phonon-plasmon coupled modes in an (InAs)1/(GaAs)30 strained-layer superlattice: Physica B 314, 422 (2002). * Coherent folded acoustic phonons in GaAs/AlAs superlatices with limited periodicity: Physica B 316-317, 308 (2002). * Umklapp processes in observation of coherent folded longitudinal acoustic phonons in a GaAs/AlAs long-period superlattice: Physica E 21, 646 (2004). 【ブレークスルー】励起子量子ビートとコヒーレントLOフォノンの結合 これまでのTHzコヒーレント現象の研究は、電子系の励起子量子ビートとBloch振動、そして、 フォノン系のコヒーレントフォノンというように、個別の現象として取り扱われてきた。 我々は、「励起子量子ビートとコヒーレントLOフォノンが分極相互作用により結合する」と いう新たな概念を提案し、それを実証した。これは、LOフォノン増幅という現象にも関連し、 THzコヒーレント現象の新局面を拓くものであると考えている。 * Coupling of coherent longitiginal optical phonons to excitonic quantum beats in GaAs/AlAs multiple quantum wells: Phys. Rev. B 68, 155325 (2003). * Enhancement of coherent LO phonons by quantum beats of excitons in GaAs/AlAs multiple quantum wells: J. Lumin. 108, 195 (2004). * Coupled mode of the coherent optical phonon and excitonic quantum beat in GaAs/AlAs multiple quantum wells: Phys. Rev. B. 69, 233302 (2004) * Enhancement of coherent longitudinal optical phonon oscillations in a GaAs/AlAs multiple quantum well due to intersubband energy tuning under an electric field: Phys. Rev. B. 70, 233306 (2004). * Characteristics of coupled mode of excitonic quantum beat and coherent longitudinal optical phonon in GaAs/AlAs multiple quantum wells: J. Lumin. 112, pp.142-145 (2005). * 半導体多重量子井戸構造における励起子量子ビートとコヒーレント光学フォノンとの相互 作用: 固体物理 41, 257 (2006). (6) 半導体量子井戸構造におけるコヒーレントLOフォノンからの高強度・長位相緩和 テラヘルツ(THz)電磁波の発生 従来のバルク半導体における研究では、コヒーレントLOフォノンからのTHz電磁波は、極めて 微弱であるというのが定説であった。 これに対して、コヒーレントフォノンの一連の研究と、若かりし頃の1980年代中頃に先駆的な 研究を行った超格子のフォノンラマン散乱の研究の知識基盤をベースに、半導体量子井戸構造 におけるコヒーレントLOフォノンからの高強度・長位相緩和THz電磁波の発生を着想した。 そのキーポイントは、量子井戸構造では、LOフォノンモードが各層に完全に閉じ込められてい るということである。コヒーレントフォノンの場合、振動位相が揃っているために、バルク半 導体では、振動分極は結晶の並進対称性のためにキャンセルされ、表面層のみがTHz電磁波発生 に寄与する。一方、多重量子井戸構造(超格子)では、各ヘテロ界面で並進対称性が破れるた めに、LOフォノン分極がキャンセルされず、むしろ、重ね合わせが生じる。また、LOフォノン の位相緩和が、フォノンモードの量子化によって抑制される。 以上の着眼点から(従来にない新たな着想)、高強度で長い位相緩和時間のTHz電磁波発生に 成功した。 * Intense terahertz radiation from optical phonons in GaAs/AlAs multiple quantum wells Appl. Phys. Lett. 87, 093102 (2005). * Characterization of terahertz electromagnetic waves from coherent longitudinal optical phonons in GaAs/AlAs multiple quantum wells: J. Appl. Phys. 100, 103527-1--103527-7 (2006). * Terahertz radiation from coherent confined optical phonons in GaAs/AlAs multiple quantum wells Phys. Status Solidi A 204, 518 (2007). * Interactions between coherent optical phonons and excitonic quantum beats in GaAs/AlAs multiple quantum wells: Strategy for enhancement of terahertz radiation from coherent optical phonons ISCS2007 Oct (2007) (Invited talk): Phys. Status Solidi C 5, 2911 (2008). コヒーレントLOフォノンからのTHz電磁波の増強に関する物理描像を提案! * Generation of intense and monochromatic terahertz radiation from coherent longitudinaloptical phonons in GaAs/AlAs multiple quantum wells at room temperature: Appl. Phys. Express 1, 012004 (2008). * Enhancement of terahertz radiation from coherent optical phonons via impulsive interference of excitons in GaAs/AlAs multiple quantum wells: J. Lumin. 128, 1043 (2008). * Enhanced terahertz emission from coherent longitudinal optical phonons in a quantum well structure under applied bias: Appl. Phys. Lett. 94, 171105 (2009). * Coherent control of terahertz wave from coherent longitudinal optical phonon in a GaAs/AlAs multiple-quantum-well structure: Jpn. J. Appl. Phys. 49, 120202 (2010). * Intense monochromatic terahertz electromagnetic waves from coherent GaAs-like longitudinal optical phonons in (11n)-oriented GaAs/In0.1Al0.9As strained multiple quantum wells: Appl. Phys. Lett. 100, 242107 (2012). * Enhancement mechanism of terahertz radiation from coherent longitudinal optical phonons in undoped GaAs/n-type GaAs epitaxial structures: J. Appl. Phys. 113 pp. 143502 (2013). * Voltage-controllable terahertz radiation from coherent longitudinal optical phonons in a p-i-n diode structure of GaAs: Appl. Phys. Lett. 103, 141109 (2013). コヒーレントLOフォノンからのTHz電磁波強度をp-i-nダイオード構造を用いて電圧制御できる  ことを初めて実証した。物理機構としては、LOフォノンの初期分極の電圧(電場)制御が、THz 電磁波の制御につながることを実証した。  コヒーレントLOフォノンを用いたTHz電磁波デバイスの提唱。 (7) 多重量子井戸構造における励起子−励起子散乱発光 従来、励起子−励起子散乱発光はZnOなどの励起子束縛エネルギーが大きいワイドギャップ半導 体が対象であり、励起子束縛エネルギーが小さい(励起子が不安定)GaAs系ではこれまで全く 観測されていなかった。量子井戸構造では量子閉じ込め効果によって励起子束縛エネルギーが 増大する。この点に着目して、励起子−励起子散乱発光に関する研究を行い、励起子共鳴励起 条件において励起子−励起子散乱発光が出現することを新たに見出した。 * Photoluminescence due to exciton-exciton scattering in a GaAs/AlAs multiple quantum well: J. Lumin. 128, 960 (2008). * Characteristics of photoluminescence due to exciton-exciton scattering in GaAs/AlAs multiple quantum wells: J. Appl. Phys. 105, 123525 (2009). * Photoluminescence properties of exciton-exciton scattering in GaAs/AlAs multiple quantum wells: Physica E 42, 2644 (2010). (8) 光変調反射分光法(photoreflectance)による半導体デバイスの評価 光変調反射分光法(photoreflectance: PR)は、状態密度特異点における光学遷移を極めて高感 度に検出できる変調分光法であるとともに、既に先に述べたが、Franz-Keldysh)振動という光 学遷移への電場効果を調べることができる。この特徴に着目して、半導体デバイスにおいて重 要なファクターである内部・表面電場の光学的評価を行っている。この研究は、当研究室の 博士課程卒業生の竹内日出雄博士(三菱電機)が中心に遂行している。 また、最近では、GaN系の電子デバイス構造評価に研究を展開している。 * Interference effects on the phase of Franz-Keldysh oscillations in GaAs/AlAs heterostructures: Jpn. J. Appl. Phys. 42, pp.6772-6778 (2003). * Line-shape analysis of Franz-Keldysh oscillations from a base-emitter junction in an InGaP/GaAs heterojunctions bipolar transistor structure: Physica E 21, pp.693-697 (2004). * Nondestructive determination of layers producing Franz-Keldysh oscillations appearing in photoreflectance spectra of heterojunctions bipolar transistor structures based on their line-shape analysis: J. Appl. Phys. 96, 1967 (2004) * Photovoltaic effects on Franz-Keldysh oscillations in photoreflectance spectra: Application to determination of surface Fermi level and surface recombination velocity in undoped GaAs/n-type GaAs epitaxial structures: J. Appl. Phys. 97, 063708 (2005). * Effects of a cap layer on built-in electric fields of AlGaN/GaN heterostructures non-destructively probed by Franz-Keldysh oscillations: Eur. Phys. J. B 52, pp.311-314 (2006). (9) GaInNAs/GaAs量子井戸の光学特性 GaInNAsという窒化物4元混晶は、わずか数%の窒素を混晶化するだけで、数100meVという極 めて大きなバンドギャップの低下という特性を示し、近赤外光エレクトロニクス材料として 注目を集めている。光物性の観点からは、電子親和力の高い窒素が局在状態をバンドエッジ 近傍に形成し、特異的な局在状態発光特性を示すことである。この局在状態は、デバイス特 性にも大きな影響を与えるために、その光学評価は応用面においても意義があるものである。 我々は、住友電気工業(株)でMOVPE成長された試料を対象として、光変調反射分光法、発光 分光法、時間相関単一光子計数法(発光減衰プロファイル)を駆使して、GaInNAs/GaAs量子 井戸の光学特性に関する研究を行っている。大きな成果としては、局在状態の発光減衰プロ ファイルが、ランダム系特有のstreched exponential(拡張型指数関数)特性を示すことを 見いだしたことである。この結果は、混晶化した窒素による局在ポテンシャルの空間的揺ら ぎの効果が極めて大きいことを示している。 * Localization characteristics of photoluminescence decay dynamics in an InGaAsN/GaAs single quantum wells: Phys. Stat. Sol. (b) 240, pp.352-355 (2003). * Photoluminescence properties of localized states caused by nitrogen alloying in a GaInNAs/GaAs single quantum well: J. Lumin. 112, pp.146-150 (2005). * Stretched exponential profiles of photoluminescence decays related to localized states in InGaAsN/GaAs single-quantum wells: J. Lumin. 122-123, pp.753-755 (2007). * Optical properties of GaInNAs quantum wells on misoriented substrates grown by MOVPE J. Crystal Growth 298, pp. 116-120 (2007). * Optical characterization of improvement of carrier localization in InGaAsN/GaAs single quantum wells by addition of Sb flux to interfaces: J. Crystal Growth, 298, pp.540-543 (2007). * Stretched exponential profiles of photoluminescence decays related to localized states in InGaAsN/GaAs single-quantum wells: J. Lumin. 122-123, pp.753-755 (2007). * Ambience effects in annealing on improvements of optical properties of GaInNAs/GaAs single quantum wells: J. Crystal Growth 310, 4786 (2008). (10) その他の主要論文 * Interference effects on photorefelectance line shapes of excitons in GaAs/AlAs superlattices: Jpn. J. Appl. Phys. 29, L1760 (1990). * Raman scattering in long-period superlattices of GaAs, AlAs and GaAlAs layers: Phys. Rev. B 41, 5221 (1990). * 半導体ヘテロ界面の非破壊評価技術:ラマン分光法 応用物理学会誌 59, 1085 (1990). * Incident-photon energy dependence of Raman-scattering profiles by folded acoustic phonons in GaAs/AlAs superlattices: Phys. Rev. B 47, 9566 (1993). * Polarization choices in exciton-biexciton system of GaAs quantum wells: Phys. Rev. B 55, 1654 (1997). * Observation of Γ-X resonances in type-I GaAs/AlAs semiconductor superlattices: Phys. Rev. B 55, 13689 (1997). * Oscillator strength of type-II light-hole exciton in InGaAs/GaAs strained single quantum wells: Physica E 7, pp.567-571 (2000). * Observation of compositional fluctuation in GaNAs alloys grown by metalorganic vapor-phase epitaxy: J. Cryst. Growth 211, pp461-466 (2000). * Numerically stable and flexible method for solutions of Schrodinger equation with self-interaction of carriers in quantum wells: IEEE J. Quantum Electronics 38, pp.1372-1383 (2002). * Self-consistent calculation of subband occupation and electron-hole plasma effects: J. Appl. Phys. 94, pp.4489-4501 (2003). * 光物性の基礎と応用:測定法(3) ラマン散乱分光法 OPTRONICS Vol. 23, No.270, 154 (2004). * 光物性の基礎と応用:物質・現象・新技術(1) 半導体超格子の光物性 OPTRONICS Vol.24, No.277, 225 (2005). * Center-of-mass quantization of excitons in PbI2 thin films grown by vacuum deposition: Phys. Rev. B 74, pp.073306-1--073306-4 (2006). 層状構造半導体PbI2薄膜に着目し、励起子の重心運動量子化が極めて広いエネルギー範囲 (100meV程度)で実現できることを明らかにした。 * Experimental determination of exciton dispersion relation from center-of-mass quantization effect in PbI2 thin films: J. Phys. Soc. Jpn. 78, 024702 (2009). * Enhancement of terahertz electromagnetic wave emission from an undoped GaAs/n-type GaAs epitaxial layer structure: Appl. Phys. Lett. 93, 081916 (2008). 半導体エピタキシャル構造を利用したテラヘルツ電磁波の発生を提言。 * Effect of nitrogen incorporation on a direction of a surface band bending investigated by polarity of terahertz electromagnetic waves in GaAs1-xNx epitaxial layer: J. Appl. Phys. 105, 093539 (2009). * Photoluminescence from exciton-exciton scattering in a GaAs1-xNx thin film: Appl. Phys. Lett. 96, 081910 (2010). * Upconversion of photoluminescence due to subband resonances in a GaAs/AlAs multiple quantum well structure: Physica E 42, 2648 (2010). * Terahertz spectroscopy of dynamics of coupling between the coherent longitudinal optical phonon and plasmon in the surge current of instantaneously photogenerated carriers flowing through the i-GaAs layer of an i-GaAs/n-GaAs epitaxial structure: J. Appl. Phys. 110, 013515 (2011). 半導体エピタキシャル構造(i-GaAs/n-GaAs)におけるコヒーレントLOフォノン-プラズモン  結合モードからのテラヘルツ電磁波発生 (他のトピックス) ワイドギャップ半導体(GaN系、ZnO、銅ハライド)における励起子非弾性散乱発光 (励起子誘導放出) 励起子束縛エネルギーが大きいワイドギャップ半導体(GaN系、ZnO、銅ハライド)では、励起 子の安定性を反映して、励起子−励起子散乱過程発光(P発光と呼ばれる)や励起子−電子散乱 散乱過程発光(H発光と呼ばれる)が特徴的に生じる。このような励起子非弾性散乱過程は、 光学利得を生み出し、誘導放出が観測される。この現象は、1970年代にII-VI族系バルク半導体 で研究が行われたが、その後下火になっていた(むしろ忘れられていたとも言える)。 「励起子誘導放出」という非常に興味深い現象を、我々は、銅ハライド薄膜、ZnO薄膜、GaN系 薄膜でリバイバルしたと自負している。 * Stimulated emission due to the inelastic scattering from the heavy-hole exciton to the light-hole exciton in CuI thin films: J. Appl. Phys. 92, 3511 (2002). * Photoluminescence properties of ZnO thin films grown by electrochemical deposition: Jpn. J. Appl. Phys. 42, L935 (2003). * Optical properties of high-quality ZnO thin films grown by a sputtering method: J. Lumin. 112, 191 (2005). * Photoluminescence from exciton-exciton scattering in a lightly alloyed InGaN thin film under intense excitation conditions: Appl. Phys. Lett. 87, 092106 (2005). * Photoluminescence dynamics of exciton-exciton scattering processes in CuI thin films: Phys. Rev. B 72, 045210 (2005). * Photoluminescence and optical gain due to exciton-electron scattering in a high  quality GaN thin film: Appl. Phys. Lett. 88, 031909 (2006) .  GaNにおける励起子-電子散乱を初めて観測し、それによる光学利得を検証した。 * Photoluminescence properties peculiar to the Mn-related transition in a lightly alloyed ZnMnO thin film grown by pulsed laser deposition: Appl. Phys. Lett. 88, 241908 (2006). * Dynamical process of exciton-exciton scattering in CuI thin films: J. Lumin. 122-123, 396 (2007). * Energy-relaxation dynamics of photogenerated excitons observed from time-resolved photoluminescence of exciton-exciton scattering in CuI thin films: Phys. Rev. B 76, 085417-1 (2007). * Ultrafast photoluminescence dynamics in ZnO thin films under intense excitation conditions: J. Lumin. 128, 1059 (2008). * Photoluminescence dynamics of exciton-exciton scattering in a lightly alloyed InGaN thin film: Appl. Phys. Lett. 93, 261904 (2008). (化学反応による半導体ナノ粒子の作製・制御と光物性) 半導体ナノ粒子では、極めて大きな量子サイズ効果が生じるために、物性と機能 の制御が興味深く、基礎と応用の両面で盛んに研究が行われている。 試料作製は、MBE法による自己成長ナノ粒子形成(self-assembled quantum dots) が中心であるが、その観点では、試料作製のコストが高く、自在に研究を開拓する ことが困難である。そこで、「清貧の物理」というモットーを掲げて、コロイド法 や逆ミセル法などの化学的手法により半導体ナノ粒子の作製・制御を行い、その 光物性の研究を精力的に行っている。尚、研究の中心は、当研究室の金准教授であ る。 これまでの主要な成果としては、 (1) 光エッチングによるナノ粒径の精密制御 (2) ナノ粒子の表面改質によるバンド端発光効率の劇的増強 (3) 混晶半導体ナノ粒子の作製 (4) ナノ粒子間のエネルギー移動機構 などがある。 * Size-selective photoetching effects on preparation of semiconductor quantum dots with a uniform size: Trans. MRS Jpn. 26, pp.1287-1290 (2001). * Photo-irradiation effects on preparation of colloidal quantum dots and their surface modification: Int. J. Modern. Phys. B 12, pp.3825-3828 (2001). * Visible luminescence from PbS quantum dots prepared by a colloidal method: Proc. 10th Int. Conf. on Narrow Gap Semiconductors and Related Small Energy Phenomena, Physics and Applications (Kanazawa, May, 2001); IPAP Conf. Series 2, pp.178-180 (2001). * Self-narrowing and photoetching effects on the size-distribution of CdS  quantum dots prepared by a reverse micelle method: Jpn. J. Appl. Phys. 41, pp.5064-5068 (2002). * Strong band-edge emission from surface modified CdS quantum dots prepared by a colloidal method: Proc. 27th Int. Conf. on Compound Semiconductors (Tokyo, Oct., 2001); Int. Phys. Conf. Ser. No. 170, pp.577-582 (2002) * Effects of the dark-exciton state on photoluminescence dynamics in surface-modified CdS quantum dots prepared by a colloidal method: Physica E 21, pp.363-366 (2004). * Preparation of ZnS-CdS alloy quantum dots by chemical synthetic methods and size-selective photoetching effects on size distribution. Jpn. J. Appl. Phys. 44, pp.1514-1517 (2005). * Optical properties of ZnS-CdS alloy quantum dots prepared by a colloidal method: J. Lumin. 112, pp.131-135 (2005). * Strong enhancement of band-edge photoluminescence in CdS quantum dots prepared by a reverse-micelle method: J. Appl. Phys. 98, 083514-1--083514-4 (2005). * Photoluminescence properties related to localized states in colloidal PbS quantum dots: J. Lumin. 119-120, pp.214-218 (2006). * Photoluminescence properties and energy transfer processes from excitons to Mn2+ ions in Mn2+-doped CdS quantum dots prepared by a reverse-micelle method: J. Appl. Phys. 100, pp.094313-1--094313-6 (2006). * Photoluminescence dynamics of energy transfer between CdS quantum dots prepared by a colloidal method: J. Lumin. 122-123, pp.471-473 (2007). * Highly efficient preparation of size-controlled CdS quantum dots with high photoluminescence yield: J. Crystal Growth 310, 4244 (2008). * Temperature dependence of photoluminescence dynamics in colloidal CdS quantum dots: J. Phys. Chem. C 112, 10668 (2008). * Experimental verification of Forster energy transfer between semiconductor quantum dots: Phys. Rev. B 78, 153301 (2008). * Temperature dependence of the energy transfer of exciton states in bilayer structures of CdSe/ZnS quantum dots: Phys. Rev. B 80, 045322 (2009). [プロファイルに戻る] /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 【大阪市大以前の研究の経緯】《1983年4月〜1988年3月(関西学院大学理学部において)》 (I) 分子線エピタキシー(MBE)法による半導体超格子・量子井戸の結晶成長  1983年当時、我が国ではMBE装置は非常に限られたものしかなく、世界的にもその結晶 成長技術は確立されていなかった。関西学院大学理学部では、山田科学財団の援助によって、 MBE装置を導入し、半導体超格子・量子井戸の結晶成長と物性研究がスタートした。  MBE法に関する研究において特筆すべきことは、1984年2月に、世界に先駆けて単原子 層制御結晶成長技術を開発したことである。この方法は、結晶成長中に反射型高速電子線回 折(RHEED)強度の振動をモニターし、その振動周期(1原子層の結晶成長時間に対応する) に同期させてMBE装置のシャッター制御を行うというものであり、今では常識的に広く用 いられている。この技術を確立した後は、まるでプラモデルでも作るかのように様々な構造 の超格子・量子井戸の結晶成長が可能となった。ただし、デリケートなMBE装置の故障と いう問題には常に悩まされたが。  関西学院大学在職中(身分は実験助手:国立大学の助手と技官の中間に相当する職)の5 年間に、加藤弘博士と共に、約1200種類の多種多様な超格子・量子井戸のMBE成長を行っ た。私自身の青春は、その中に消え去ってしまったが、当時の試料の一部は今尚研究のベー スとなっている。 * Mono and bi-layer superlattices of GaAs/AlAs: Jpn. J. Appl. phys. 23, L640 (1984).  MBE法による単原子層結晶成長の記念碑的論文。 * X-ray studies of semiconductor superlattices grown by molecular-beam epitaxy: J. Phys. Soc. Jpn. 54, 2476 (1985). * Lattice distortions in GaAs-AlAs and GaAs-InAs superlattices: Surface Sci. 174, 592 (1986). * X-ray study of misfit strain relaxation in lattice-mismatched heterojunctions: Appl. Phys. Lett. 49, 1071 (1986). * X-ray diffraction analysis of buffer-layer effects on lattice distortions of strained- layer superlattices: J. Appl. Phys. 62, 1124 (1987). * Growth and characterization of InAs/In1-xAlxAs strained-layer superlattices: J. Appl. Phys. 62, 2057 (1987). * X-ray diffraction patterns of configurational Fibonacci lattices: J. Phys. Soc. Jpn. 57, 2416 (1988). (II) 超格子のフォノンラマン散乱  1983年当時、超格子のフォノンラマン散乱の研究は世界的に黎明期であった。上記の単原 子層結晶成長技術の確立によって、高精度に構造を制御した超格子試料が結晶成長できるよ うになり、フォノンラマン散乱の研究は飛躍的に発展し、以下のテーマに関する成果を得た。 (1) 超格子におけるミニブリルアンゾーン形成による音響フォノンモードの折り返し。 (2) 光学フォノンモードの閉じ込めと量子化。 * Characterization of GaAs-AlAs superlattices by Raman spectroscopy: Solid State Commun. 49, 157 (1984). * Raman scattering from GaAs-AlAs monolayer-controlled superlattices: Solid State Commun. 53, 493 (1985).  極薄膜(1〜4原子層)超格子のフォノンモードに関する初めての明確な研究。 * Zone-folding effects on phonons in GaAs-AlAs superlattice: Jpn. J. Appl. Phys. 24, 1331 (1985). * Raman scattering from GaAs-Al0.5Ga0.5As-AlAs polytype superlattices: Solid State Commun. 58, 475 (1986). * 半導体超格子のフォノンラマン散乱   固体物理 22, 383 (1987).  超格子のフォノンラマン散乱に関する詳細な解説であり、その基本的な概念の全てを述べて  いるつもりです。この分野に興味のある方は是非ご一読下さい。 (3) 格子不整合系超格子(歪み超格子)におけるフォノンモードに対する歪み効果。 * Raman scattering from GaAs-InxGa1-xAs strained-layer superlattices: Solid State Commun. 51, 343 (1984). * Raman study of GaAs-InxAl1-xAs strained-layer superlatices: J. Appl. Phys. 58, 4342 (1985).  ラマン散乱分光法による超格子・量子井戸構造の歪み評価の基礎となる論文である。LOフォ  ノンモードの振動数をプローブとして、歪み評価が簡便にできることを実験と理論の両面で  明らかにしている。 * Effects of buffer layers in GaAs-In0.2Al0.8As strained-layer superlatices: Appl. Phys. Lett. 48, 281 (1986). * Effects of Layer strains in an In0.18Ga0.82As-GaAs strained-layer superlattices: Surface Sci. 174 579 (1986). (4) ラマン散乱過程における結晶サイズの有限性効果:運動量(波数ベクトル)選択則の破綻。 * Finite-size effects on Raman scattering from GaAs-AlAs superlattices: J. Appl. Phys. 60, 3289 (1986). 私個人としては、超格子のラマン散乱過程の根本的な問題を探究した研究と思っている。 (5) 準周期性超格子(一種のフラクタル構造)における音響フォノンモードの自己相似性。 * Folded acoustic phonons in (Al,Ga)As quasiperiodic superlattices: Phys. Rev. B 36, 3472 (1987). (6) 界面フォノン・ポラリトンの存在の証明。 * Raman scattering by interface-phonon polaritons in a GaAs/AlAs heterostructure: Phys. Rev. B 38, 6348 (1988).  この論文は、界面フォノンポラリトンの検出とそのポラリトン分散関係に関する理論を初め て明確にしたものであり、下記の世界的な半導体物理のテキストに引用されている。   P.Y. Yu and M. Cardona, "Fundamental properties of semiconductors" (Springer, Berlin, 1996) Chap.9. * GaAs/AlAsヘテロ構造の界面フォノンポラリトン   固体物理24, 385 (1989) * Interface-phonon polaritons in in GaAs/AlAs heterostructures: Surface Sci. 228, 131 (1990). [プロファイルに戻る] /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

    真空蒸着法によるI-VII族薄膜の結晶成長とその励起子光物性, シンチレーション機能, ZnO薄膜の結晶成長と励起子光物性

     上記の半導体超格子を作製するためには、分子線エピタキシー(MBE)装置という非常に 高価で、かつ、膨大な維持経費が必要なものが要求され、研究費や研究条件が制限されている 状況では、MBE法による結晶成長の継続は不可能であった。  当光物性工学研究室は、西村仁教授(2000年3月退職:名誉教授)が、アルカリハライド・バ ルク結晶の励起子に関する研究の第一人者として長年にわたってその研究成果を蓄積されてい るので、1992年に、簡便な高真空条件での真空蒸着法を用いて、アルカリハライド薄膜の結晶 成長に着手した。装置は、倉庫で眠っていたものや、ゴミとして棄てられていたものを、ナノ メータオーダーの精度で結晶成長ができるように自分自身で改造したものである。ただし、 2002年からは、ターボ分子ポンプ排気の超高真空蒸着装置を組み上げて使用しており、姿勢は 軟弱になりつつある(清く貧しく美しくという物理のモットーに反して)。  アルカリハライドの分野においては、その歴史の初期に(1960年代)、薄膜の研究が行われ ていたが、結晶性が悪く精密な光物性研究の対象にはならないということが通説であった。し かしながら、MBE法による結晶成長の経験をベースとして作製を行うと、非常に高品位のエ ピタキシーが可能であることが明らかとなった。1995年からは、さらに銅ハライドへ研究を展 開した。  アルカリハライド、銅ハライドは、励起子研究のモデル物質として長年にわたってバルク結 晶の研究が行われているが(励起子束縛エネルギーが100〜200meV程度と非常に大きく励起子の 安定性が半導体とは桁違いに高いため)、私個人としては、薄膜特有の興味深い励起子物性の 世界が今尚広がっていると考えている。薄膜構造による励起子状態の制御と、励起子-励起子散 乱による誘導放出や励起子量子ビートなどが、具体的なターゲットである。  応用の観点からは、アルカリハライドのシンチレーションを利用する「X線イメージセンサ ー」があり、その研究も精力的に進めている。この研究において特筆すべきことは、最も代表 的なシンチレータ材料であるCsI:Naにおいて、CsI母体中におけるNaIナノ微粒子形成がシンチ レーション機能の起源であることを薄膜を試料として見出したことである。 * Scintillation from NaI nanoparticles formed in CsI:Na thin films M. Nakayama et al., Jpn. J. Appl. Phys. 41, L263 (2002). さらには、CsI-CuI混晶及びCsI/CuI多層膜が、X線イメージングにおいて極めて優れた物質で あることを見出した(特許出願:特願2001-347335)。 加えて、PET診断に用いられている酸化物シンチレータの光物性に関しても研究を展開している。 また、2001年から、紫外領域のワイドギャップ半導体であるZnO薄膜の結晶成長と光物性にも精 力的に取り組んでいる。作製手法は、(1)rfマグネトロン・スッパタリング法、(2)電気化学堆積 法、(3)クロライドVPE法の3種類を採用し、比較的簡便な手法で高品位のZnO結晶が作製できる という成果を得ている。 [解説] * 真空蒸着法によるI-VII族結晶のエピタキシーと薄膜の励起子光物性   真空 41, 1027 (1998). I-VII族結晶のエピタキシーの歴史と、当研究室での成果をまとめたものであり、この分野 に興味をある方は是非ご一読下さい。 * CsI:Na薄膜におけるナノ粒子形成とシンチレーション機能   固体物理38, 865 (2003). * RFマグネトロンスパッタリング法によるZnO結晶性薄膜の作製とその光学特性 機能材料 30, 49 (2010). [公表論文] * Optical properties of RbI thin films grown by vapor phase onto Alkali-Halide and quartz substrates: J. Phys. Soc. Jpn. 64, 3514 (1995). 当研究室の最初のI-VII族薄膜の論文であり、極めて高品位なバルク結晶(ゾーン精製)で しか観測されないと考えられていたアルカリハライドの自由励起子発光が、真空蒸着薄膜に おいて観測されること、また、アルカリハライド特有の自己束縛励起子に関しても、薄膜特 有の格子歪み効果が生じていることを示している。 * Hot excitons in CuCl and CuBr thin films grown by vacuum deposition: Phys. Rev. B 55, 10099 (1997). (0001)面Al2O3(サファイア)を基板として、GaAsなどの化合物半導体と同じ閃亜鉛鉱結晶構 造を有する銅ハライド薄膜(CuCl、CuBr)が[111]方向に配向結晶成長すること、また、その 結晶性が非常に良いことを、X線回折と励起子光学スペクトルから明らかにしている。さらに、 表題の非熱平衡状態の励起子(Hot exciton)について、詳細な研究成果を示している。 * Strain-induced splitting of the heavy-hole and light-hole-exciton energies in NaI thin films: Phys. Rev. B 57, 2592 (1998).  半導体超格子・量子井戸構造では、格子不整合歪みにより価電子帯の重い正孔と軽い正孔の  縮退が解けることは、歪み超格子・量子井戸の概念において明確となっていたが、イオン結  晶であるアルカリハライドに関しては明確な報告はなされていなかった。この論文は、その  格子歪み効果を明確に示す初めての論文であり、kp摂動論に基づく定量的な解析、及び、格  子不整合歪みの臨界膜厚について述べている。 * Epitaxy effects on excitons in CuI thin films: Proceedings of the 3rd International Conference on Excitonic Processes in Condensed Matter (EXCON'98) (Boston, Nov.1-5, 1998); The Electrochemical Society Proceedings Vol.98-25, 477 (1998).  銅ハライドは常態においては立方晶系の閃亜鉛鉱構造が安定な結晶構造であるが、サファイ  ア基板上に蒸着した8nm以下の超薄膜では、六方晶(hexagonal)系結晶構造となり、励起子エ  ネルギーは結晶場の違いにより大きく変化する。また、8nmを臨界膜厚として、それ以上の層  厚では閃亜鉛鉱構造に構造転移し、励起子スペクトル、X線回折パターンはバルク結晶と同  様なものとなる。 * Photoluminescence of biexcitons and bound biexcitons from CuCl thin films: Proceedings of the 3rd International Conference on Excitonic Processes in Condensed Matter (EXCON'98) (Boston, Nov.1-5, 1998); The Electrochemical Society Proceedings Vol.98-25, 489 (1998). CuCl薄膜における励起子分子と束縛励起子分子発光に関する報告。 * Bound-biexciton photoluminescence in CuCl thin films grown by vacuum deposition:   J. Phys: Condens. Matter 11, 7653 (1999). CuClの励起子分子研究には長い歴史があり、最近II-VI系で話題となっている励起子分子が 関与する誘導放出は1971年に既にShakleeらにより報告されている。しかしながら、励起子 分子の不純物束縛状態(束縛励起子分子:bound biexciton)については、明らかとなって いなかった。この論文では、束縛励起子分子の発光特性、束縛エネルギー、及び、熱的安定 性に関する詳細な報告を行っている。 * Stimulated emission from exciton-exciton scattering in CuBr thin films: J. Luminescence 87-89, 235 (2000). CuBr薄膜における励起子-励起子散乱による誘導放出に関する初めての報告である。励起子- 励起子散乱過程は、II-VI族半導体(特にCdSやZnO)においてPn-emissionとして知られている。 これは、n=1励起子同士の散乱により、一つの励起子がn≧2励起子状態に散乱され、もう一つ の励起子がその散乱エネルギーだけ下がった光分枝(ポラリトン)に散乱されて発光するとい う現象であり、励起子誘導放出の有力な過程の一つである。 * Thermal-strain-induced splitting of heavy- and light-hole exciton energies in CuI thin films grown by vacuum evaporation: Phys. Rev. B 60, 13879 (1999). 基板とCuI薄膜との熱膨張係数の違いによる熱歪み効果によって、CuI薄膜の重い正孔(HH)と 軽い正孔(LH)の縮退が解けることについて、励起子スペクトルから実験的に明確に、kp摂動 論によって理論的に説明している。具体的には、HHとLHのエネルギー序列と分裂幅が、基板 を変える(熱歪みの方向を変えることに相当)ことによって制御できることを示している。 * Photoluminescence from heavy-hole and light-hole excitons split by thermal strain in CuI thin films J. Luminescence 87-89, 257 (2000). 熱歪み効果によって縮退が解けたCuI薄膜のHH励起子とLH励起子の発光特性において、非熱平 衡性とLOフォノン散乱が大きく寄与していることを示している。 * Control of temperature dependence of exciton energies on CuI-CuBr-alloy thin films grown by vacuum deposition International J. Modern Physics B 15, 3977 (2001). 銅ハライドのバンドギャップエネルギーの温度依存性は、CuClとCuBrでは温度上昇に伴って 高エネルギーシフトし(通常の半導体の特性と逆傾向)、CuIでは低エネルギーシフトする。 この異なる温度依存性に着目し、CuIとCuBrの混晶薄膜を真空蒸着法で作製し、励起子吸収 エネルギーの温度依存性を制御することを試みた。混晶比によって、エネルギーシフトの逆 転が生じること、また、ある混晶比において励起子エネルギーの温度依存性がほとんどなく なることを明らかにし、この結果について、電子-格子相互作用の観点から議論している。 * Quantum beats between heavy-hole and light-hole excitons in CuI thin films J. Luminescence 94-95, 385 (2001).  熱歪み効果によって縮退が解けたCuI薄膜のHH励起子とLH励起子の量子ビートを、フェムト秒  ポンプ-プローブ分光法により検出した。励起子-格子相互作用が強い系での励起子量子ビート  は、半導体系とは異なる振る舞いを示すことが期待でき、さらなる研究を展開している。 * Stimulated emission due to the inelastic scattering from the heavy-hole exciton to light-hole exciton in CuI thin films: J. Appl. Phys. 92, 3511 (2002).  熱歪み効果によって縮退が解けたCuI薄膜のHH励起子とLH励起子において、HH励起子からLH励  起子への非弾性散乱によって「励起子誘導放出」が生じることを初めて実証した研究である。  この現象は、励起子誘導放出に関する新たな一石を投じたものと考えている。 * Optical gain of stimulated emission due to exciton-exciton scattering processes in CuI thin films: Nonlinear Optics 59, 507 (2002).  上記の「励起子誘導放出」の現象について、ナノ秒パルスによるポンプ−プローブ吸収変化  の詳細な実験から、光学利得に関する知見を得た。  * Intense coherent longitudinal optical phonons in CuI thin films under exciton-excitation conditions: J. Lumin. 112, 80 (2005). * Temperature dependence of dynamical processes of photoluminescence from exciton-exciton scattering in CuI thin films: J. Lumin. 119-120, 457 (2006). * Ultrafast photoluminescence dynamics of biexcitons in a CuCl thin film grown by vacuum deposition: Phys. Status Solidi C 3, 3464 (2006). * Dynamical process of exciton-exciton scattering in CuI thin films: J. Lumin. 122-123, 396 (2007). * Observation of biexciton-resonant hyper-parametric scattering in SiO2/CuCl layered structures: Jpn. J. Appl. Phys. 46, pp. L234-L236 (2007). 励起子共鳴ハイパーパラメトリック散乱は、量子情報通信の必須要因の一つである量子もつれ  光子対を生成する機構の一つである。CuClの励起子分子束縛エネルギーは34meVと極めて大き  く、励起子共鳴ハイパーパラメトリック散乱の対象として最適である。しかしながら、潮解性  があるために応用上の問題がある。それを解決するために、CuCl薄膜をSiO2薄膜でパッシべー  ションすることを考案した。CuCl薄膜は真空蒸着法で、SiO2薄膜はrfマグネトロンスパッタリ  ング法で作製した。このSiO2/CuCl薄膜構造において励起子共鳴ハイパーパラメトリック散乱  の観測に成功した。この結果は、量子もつれ光子対生成の実用化への大きな波及効果がある。 (新たな展開:マイクロキャビティにおける励起子−格子相互作用の制御) * Giant Rabi splitting in a bulk CuCl microcavity: Phys. Rev. B 78, 233304 (2008).  CuClマイクロキャビティの作製に世界で初めて成功した研究である。CuClの励起子束縛エネ  ルギーが約200meVと極めて大きいために、励起子とキャビティフォトンが結合した励起子  ポラリトン(キャビティポラリトン)の真空ラビ分裂が約100meVという巨大なものになるこ  とを明らかにした。尚、従来研究されていたGaAs系マイクロキャビティのラビ分裂は5meV程  度である。 * Exciton polaritons in bulk CuCl microcavities grown by vacuum deposition: Phys. Status Solidi C 6, 280 (2009). * Effects of distributed Bragg reflectors on temporal stability of CuCl microcavities: Jpn. J. Appl. Phys. 49, 042802 (2010). * Control of exciton-photon interactions in CuCl microcavities: Phys. Rev. B 83, 075318 (2011). * Cavity polaritons of heavy-hole and light-hole excitons in a CuI microcavity: Phys. Rev. B 83, 235325 (2011). * Exciton polaritons in a CuBr microcavity with HfO2/SiO2 distributed Bragg reflectors: Phys. Rev. B 85, 205320 (2012). * Exciton polaritons in ZnO microcavities with different active layer thicknesses: Phys. Status Solidi B 248, 460 (2011). * Temperature dependence of cavity-polariton energies in ZnO and CuCl microcavities: J. Appl. Phys. 112, 0935125 (2012). * Active-layer-thickness dependence of Rabi splitting energies in ZnO microcavities: Phys. Status Solidi C 9, 1797 (2012). * Control of Rabi-splitting energies of exciton polaritons in CuI microcavities: Eur. Phys. J. B 86, 2 (2013). * Photon-field-shape effects on Rabi splitting energies in CuCl microcavities: Eur. Phys. J. B 86, 69 (2013). 【シンチレータの光物性】 * Origin of the 4.1-eV luminescence in pure CsI scintillator Phys. Rev. B 51, 2167 (1995)  CsI結晶は、長年にわたって代表的なシンチレータ材料として用いられているが、そのシンチ  レーション機構は、未解決であった。我々は自己束縛励起子の観点から2光子励起発光の研究  を行い、on-center型自己束縛励起子による発光がシンチレーションの起源であることを見出し  た。 * Scintillation from NaI nanoparticles formed in CsI:Na thin films Jpn. J. Appl. Phys. 41, L263 (2002).  高効率シンチレータ材料として広く実用化されているCsIにNaをドーピングしたCsI:Naのシン  チレーション機能が、NaIナノ微粒子形成により発現することを見出した。これは、従来のモ  デル(NaイオンにトラップされたCsI自己束縛励起子)というモデルを根本的に覆す結論であ  り、「ナノ微粒子形成によるシンチレーション機能の制御」という新たなパラダイムを提案  するものである。 * Scintillation mechanism of Bi4Ge3O12: Nonlinear Optics 29, 609 (2002).  X線イメージセンシングやγ線検出に用いられているBGO結晶のシンチレーションが、結晶固有  の自己束縛励起子に起因することを、アーバック(Urbach)則から明らかにした。 * Role of the core excitons formed by 4f-4f transitions of Gd3+ on Ce3+ scintillation in Gd2SiO5:Ce3+: Phys. Rev. B 67, 165206 (2003).  Gd2SiO5結晶にCeをドーピングしたGSO:Ceは、γ線検出において近年非常に注目されている物質  であるが、そのシンチレーション機構の詳細は明らかではなかった。我々は、励起子光物性の 観点から、GSO結晶のGdイオンの4f-4f励起状態が内殻励起子として結晶中を伝播(拡散)し、 そのエネルギーがドーピングされたCeイオンに伝わることによって、シンチレーションが生じ るという、新たなモデルを実験的に提案した。 * Scintillation activated by nanoparticle formation in CsI:Na thin films: J. Lumin. 108, 359 (2004). 【ZnO薄膜の結晶成長と励起子光物性】 ZnOは代表的なワイドギャップ半導体であり、実用化の観点から長年にわたって研究が行われて いるが、60meVという大きな励起子束縛エネルギーは励起子光物性における大きな魅力である。 我々は、研究室において、自前でZnO薄膜の結晶成長を行うことを努力している。その方法とし ては、(1)rfマグネトロン・スッパタリング法、(2)電気化学堆積法、(3)クロライドVPE法の3種 類を採用している。スッパタリング法とクロライドVPE法によって、極めて高品位の薄膜の作製 に成功しており、研究の大きなターゲットの一つである。 * Photoluminescence properties of ZnO thin films grown by electrochemical deposition: Jpn. J. Appl. Phys. 42, L935 (2003).  水溶液中での電気化学堆積法という極めて簡便かつ安価な手法で、高品位のZnO薄膜が作製で きることをX線構造解析と励起子発光特性から明らかにした。特に、励起子誘導放出と関連す るP発光(励起子−励起子散乱発光)が、このような作製法の薄膜でも生じることを実証した ことは、結晶成長の観点を変えるものであると考えている。 * Optical properties of high-quality ZnO thin films grown by a sputtering method: J. Lumin. 112, 191 (2005).  rfマグネトロンスパッタリング法により、非常に高品位のZnO薄膜が作製できることを、X線 構造解析と励起子発光特性から明らかにした。 * Photoluminescence properties of high-quality ZnO thin films prepared by an RF-magnetron sputtering method: Physica B 376-377, pp. 741-744 (2006). rfマグネトロンスパッタリング法の成長条件を最適化し、酸素欠陥発光が極めて微弱な高品位 結晶薄膜が作製できることを示した。 * Optical properties of ZnO thin films grown by an rf-magnetron sputtering method: Phys. Status Solidi C 3, 3504 (2006). * Self-assembled formation of ZnO hexagonal micropyramids with high luminescence efficiency: Appl. Phys. Lett. 90, pp.101918-1--101918-3 (2007).  rfマグネトロンスパッタ法により作製したZnO薄膜上に、μmオーダーの6角錐ピラミッド  が自己形成すること、及び、その「マイクロピラミッド」がキャビティ効果(光閉じ込め)  の作用をすることを初めて見出した。ZnOマイクロ構造のブレークスルーとなると考えている。 [プロファイルに戻る] /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

     マイクロキャビティにおける励起子−光子相互作用の制御

    CuClマイクロキャビティの解説(pdf)   ZnOマイクロキャビティの解説(pdf) 光物性において,励起子−光子相互作用の制御は長年にわたる魅力的なテーマの一つであり,そ れをドラマティックに実現する舞台がマイクロキャビティである.最も一般的な積層型マイクロ キャビティでは,分布ブラッグ反射鏡(半導体もしくは誘電体多層膜からなる一種の干渉鏡)に よって励起子に共鳴する光がキャビティに閉じ込められ,励起子と光子との強結合によりキャビ ティポラリトンが形成される.キャビティポラリトン分散は,励起子−光子強結合を反映して反 交差の振る舞いを示し,その反交差の大きさ,即ち相互作用の強さの尺度を真空ラビ分裂エネル ギーと呼ぶ.歴史的には,1992年にWeisbuchらによって,GaAs量子井戸マイクロキャビティを試 料としてキャビティポラリトンのラビ分裂が初めて観測された. キャビティポラリトン特有の物理現象としては,ボース粒子性の顕著な発現であるボース・アイ ンシュタイン凝縮やポラリトンレーザー発振(反転分布ではなくポラリトン凝縮によるレーザー 発振)が大きな注目を集めている.また,量子情報通信において必要な高効率量子もつれ光子対 生成の可能性が理論的に提案されている(励起子分子共鳴ハイパーパラメトリック散乱を利用す る). 励起子活性層の物質としては,結晶成長の容易さから従来はGaAs系が中心であったが,近年,ワ イドギャップ半導体であるGaN系やZnO系が着目されている.その最大の理由は,GaNとZnOにおけ る励起子束縛エネルギーがそれぞれ23meVと63meVであり,室温で励起子系が安定に存在できるこ とである.このことは,キャビティポラリトンの応用において,極めて大きな要因と言える. 励起子安定性の観点に立てば,無機半導体において銅ハライド系のCuClの励起子束縛エネルギー が最大である(190meV).さらに,その励起子振動子強度は極めて大きい.即ち,CuClは,マイ クロキャビティにおける励起子−光子相互作用を研究するための最適な物質である.しかしなが ら,我々が研究に着手するまで,CuClマイクロキャビティに関する報告は皆無であった.通常の 半導体マイクロキャビティの場合,分子線エピタキシー法や有機金属気相エピタキシー法などの 確立された結晶成長方法が試料作製に用いられているが,CuClマイクロキャビティの場合,試料 作製方法を一から開拓しなければならなかった. 我々は,CuClマイクロキャビティにおいて,約100meVという巨大ラビ分裂が実現できることを実 証した.さらに,励起子活性層の層厚を系統的に変化させることによって,キャビティ光子場と 励起子波動関数の重なりを調整し,ラビ分裂エネルギーを精密に制御できることを明らかにした. このラビ分裂エネルギーの制御は,マイクロキャビティにおける励起子−光子相互作用の制御に 相当し,キャビティポラリトンの基本的な問題の一つであるが,他の半導体マイクロキャビティ において明確な実験結果はこれまで示されていなかった. さらに、銅ハライド系のCuI, CuBr、並びに、ZnOマイクロキャビティに関しても精力的に研究を 行っている。 試料作製方法については、分布ブラック反射鏡にはHfO2/SiO2多層膜を用い、rfマグネトロンスパ ッタリング法により1nmの精度で層厚制御を行っている。 励起子活性層である銅ハライド系は真空蒸着法により、ZnOはレーザーアブレーション法により結 晶成長を行っている。 * Giant Rabi splitting in a bulk CuCl microcavity: Phys. Rev. B 78, 233304 (2008).  CuClマイクロキャビティの作製に初めて成功し、キャビティポラリトン分散を観測し、解析から  約100meVという巨大ラビ分裂(励起子−光子強結合の相互作用エネルギー)が生じることを実証  した。尚、従来のGaAs量子井戸系マイクロキャビティのラビ分裂は5meV程度である。 * Exciton polaritons in bulk CuCl microcavities grown by vacuum deposition: Phys. Status Solidi C 6, pp.280-283 (2009). * Observation of exciton polaritons in a ZnO microcavity with HfO2/SiO2 distributed Bragg reflectors: J. Phys. Soc. Jpn. 77, 093705 (2008). HfO2/SiO2多層膜を分布ブラッグ反射鏡としてZnOマイクロキャビティの作製に初めて成功し  た。このZnOマイクロキャビティにおいて、励起子とキャビティフォトンが相互作用したキャ  ビティポラリトンを観測した。 * Characteristics of exciton polaritons in a ZnO microcavity: Physica E 42, 2567 (2010). * Effects of distributed Bragg reflectors on temporal stability of CuCl microcavities: Jpn. J. Appl. Phys. 49, 042802 (2010).  HfO2/SiO2分布ブラッグ反射鏡を用いることによって、極めて安定なCuClマイクロキャビティが  作製できることを実証した。 * Exciton polaritons in ZnO microcavities with different active layer thicknesses: Phys. Status Solidi B 248, 460 (2011).  ZnO特有のA, B, C励起子とキャビティ光子との相互作用により4つのキャビティポラリトン分散  が生じるが、そのことを初めて精密に実験的に検証し、ラビ分裂を明らかにした。 * Control of exciton-photon interactions in CuCl microcavities: Phys. Rev. B 83, pp.075318-1--075318-5 (2011).  CuClマイクロキャビティにおいてCuCl活性層厚を調整して励起子−光子相互作用を制御し、ラビ  分裂が系統的に制御できることを初めて実証した。 * Cavity polaritons of heavy-hole and light-hole excitons in a CuI microcavity: Phys. Rev. B 83, pp. 235325-1--235325-5 (2011). CuIマイクロキャビティにおいて、熱歪み効果によって分裂した重い正孔励起子と軽い正孔励起子  のキャビティポラリトン分散を決定した。また、ラビ分裂エネルギーが励起子振動子強度によって  決定されることを明確に示した。 * Exciton polaritons in a CuBr microcavity with HfO2/SiO2 distributed Bragg reflectors: Phys. Rev. B 85, pp.205320-1--205320-5 (2012). * Active-layer-thickness dependence of Rabi splitting energies in ZnO microcavities: Phys. Status Solidi C 9, pp.1797-1800 (2012). * Temperature dependence of cavity-polariton energies in ZnO and CuCl microcavities: J. Appl. Phys. 112, pp.0935125-1--093512-6 (2012). * Control of Rabi-splitting energies of exciton polaritons in CuI microcavities: Eur. Phys. J. B 86, pp. 32-1--32-5 (2013). * Photon-field-shape effects on Rabi splitting energies in CuCl microcavities: Eur. Phys. J. B 86, pp. 69-1--69-6 (2013). [プロファイルに戻る] 光物性のホームページに戻る